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無病長寿大国・日本

昭和111年――四大医療革命〝GRMP(グランプ)〟と健康保障機関〝S.H.E.L.L.(シェル)〟によって、全国民が病苦と怪我を克服し、平均限界寿命120歳を約束された日本。国の人口は5000万人ほどまで減少しているが、過労を無視できる長時間労働と環境汚染を気にしない経済活動によりGDP世界一を実現している。しかし死のリスクが低下した一方、一部には、かえって危険な薬物を常用し、死と隣り合わせのスリルを求める者も現れている。

S.H.E.L.L.(シェル)

国民の健康を管理し無病長寿を保障する国家機関。人々の体内にある〝グランプ(GRMP)〟を「健康効用を目的とした保障維持合意に基づくネットワーク(Health-UtilityMaintenance-Agreement Network)、通称〝ヒューマン・ネットワーク(H.U.M.A.N. Network)〟」でつなぎ、健康基準〝合格者〟たちの健康状態とリアルタイムで同期させることで、全国民の健康を保っている。また、事件事故によって重体となるような緊急時には、コールセンターでの応対でオペレーターが個別に〝GRMP(グランプ)〟を操作し、即座に健康体に戻すなどする。ただし、大きな欠損を元どおりにするには一定の期間が必要となる。なお、組織名の〝S.H.E.L.L.〟は、Sound Health Everlasting Long Lifeの頭文字をとったものである。

GRMP(グランプ)

四大医療革命、またはそれらの技術を搭載した万能医療ナノマシンの通称。遺伝子操作(Genetic manipulation)、再生医療(Regeneration)、医療用ナノマシン(Medicalnano-machine)、万能特効薬(Panacea)が四つの医療革命として数えられており、それぞれの頭文字から〝GRMP〟と呼ばれる。全国民に投与されており、宿主の健康状態に応じて増殖する。健康基準〝合格者〟の細胞活動状況をミラーリングすべく、〝ヒューマン・ネットワーク〟を介して細胞に作用する。

文明曲線

統計試算により予測している未来グラフ。〝S.H.E.L.L.(シェル)〟が収集する全国民のバイタルデータから導き出され、医療革命によって〝ヒューマン・ロスト〟が多発し文明が崩壊する未来を示す“崩壊曲線”と人類が進化して医療革命に完全適応する未来を示す“再生曲線”の両方が存在し、未来がどちらになるか定まらずにいる。

ヒューマン・ロスト
 (H.U.M.A.N. LOST)

全国民がつながる〝ヒューマン・ネットワーク〟から個人が外れてしまう稀な現象。基準を見失った〝グランプ(GRMP)〟が暴走し、異形の怪物〝ロスト体〟となる。公表されてはいないが巷では都市伝説のように語られており、無病長寿大国において寿命以外の唯一の死とも言われている。

ロスト体

〝ヒューマン・ロスト〟を起こして異形化した人間。制御不能となった体内〝GRMP(グランプ)〟によって「物質的かつ物理的な巻き添え(Material And Physical Dragin)」が発生し、周囲の物質を取り込んで怪物化する。〝ロスト体〟は体内〝GRMP(グランプ)〟の活動を感知し、己の死に他者を引きずり込もうとするため、それを遮断する装備をもたない人間は、近づいただけでその「M.A.P.(Material And Physical)レベルの巻き添え」の餌食となる。

合格者

全国民の健康基準となる300人を超す人間たち。健康長寿の優位性によって国民の中から選ばれた存在。彼らのおかげで人々は病苦と怪我を克服し、平均限界寿命120歳を突破可能となった。また彼らは、〝S.H.E.L.L.(シェル)〟体制の継続による国民全体のさらなる長寿の実現が人類進化につながると考えており、120歳の壁を越え、140歳を過ぎた現在もなお、おびただしい生命維持装置に身体をつなぎ寿命を延ばしている。

澁田機関(ヒラメ)

〝ヒューマン・ロスト〟現象に対抗する隠れた国家機関。〝S.H.E.L.L.(シェル)〟直属の組織で、実行部隊と研究班にわかれており、実行部隊は〝ロスト体〟の処理を、研究班はその解析を行う。創設期の三つの仕事「人的情報収集、研究所の運営、装備の開発(Human Intelligence, Laboratory, Mechanist)の頭文字から〝ヒラメ〟の通称で呼ばれるが、組織の存在を知る一部の心ない者からは、ヒラメが海底に沈んで上ばかり見ているように、〝シェル〟の機嫌をうかがってへつらう奴らと皮肉に使われている。

デバイスソード

〝ヒラメ〟の実行部隊が使用する対〝ロスト体〟専用装備。〝デバイスソード〟の刀身は特殊合金でできており、刃の超振動によって超硬度である“ロスト体”の外殻を破砕し、内部に分解液を注入することで〝ロスト体〟を破壊する。

インサイドとアウトサイド

東京首都圏を幾重にも取り巻く環状道路によるエリア区分。環の中心〝インサイド〟には政府中枢と富裕層が集まり、外側〝アウトサイド〟へいくほど貧しい地域が広がる。また、〝アウトサイド〟には東京中に張り巡らされた大規模換気ダクトによって“インサイド”の汚染空気が排出されており環境の汚染度も高い。結果、内側は外側の住民の憧れや憎しみの対象となっており、「イチロク(十六号線)」「カンナナ(環状七号線)」「ソトボリ(外堀通り)」といった環状道路の通称は、「イチロクの貧乏人ども」「ソトボリのおぼっちゃんたち」など、互いを揶揄するための俗称として用いられている。

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